
大きなインパクトの生み出し方:社会を変える非営利組織の実践に学ぶ
社会を変える事業において一般的に広まってきた通説の1つが、「大きなインパクトを出すためには、まずは組織内部のマネジメントを確立すべき」というものだ。しかし、米国で大きなインパクトを出した12団体の研究から浮かび上がった意外な成功条件は、組織の外の力をいかに活かすかということだ。非営利事業、ビジネスに携わる多くの人に影響を与えた書籍のもとになった本論文では、インパクトの高い組織に共通する6つの原則に迫る。(2007年秋号)
※本稿はスタンフォード・ソーシャルイノベーションレビューのベスト論文集『これからの「社会の変え方」を、探しに行こう』からの転載です。
ヘザー・マクラウド・グラント Heather McLeod Grant
レスリー・R・クラッチフィールド Leslie R. Crutchfield
ティーチ・フォー・アメリカは、一介のスタートアップとして悪戦苦闘していた頃から、20年にも満たない期間で米国の教育改革をけん引する原動力へと生まれ変わった。
同団体が設立されたのは1989年、当時大学4年生だったウェンディー・コップが、わずかな資金をもとに小さなオフィス用の部屋を借りて立ち上げた。それが今では、米国内の最も優秀な大学新卒者が集まる団体にまでなった。新卒者たちは、ささやかな給料をもらいながら、2年間にわたって国内各地の教育困難校へ教師の一員として派遣される。過去10年だけでも事業規模は5倍以上に拡大しており、年間予算は1,000万ドルから7,000万ドル、派遣教師の数は500名から4,400名へと成長している。また、この先数年間で事業規模を倍増することを計画している1。
しかし、このような急成長は、ニューヨークを拠点とするこの団体の1つの側面でしかない。たしかに、派遣している教師の数や調達した資金などの計測可能な数値で、ティーチ・フォー・アメリカの成功を評価することもできる。だが、この団体の最も意義ある功績は、教育改革に向けたムーブメントそのものを生み出したことだろう。
一部の教育界のリーダーからは、同団体の教師養成プログラムや教育現場での滞在期間の短さを批判する声もある。しかし、このような評価基準は、ティーチ・フォー・アメリカが生み出してきた、より大きな次元での、数値には表れないインパクトを見逃している。それは、多くの米国人が教員免許制度に対して抱いていた常識を覆し、教育界の既得権益を揺るがしたことだ。さらに最も重要なのは、教育改革運動を支える熱意あるリーダーを、数多く生み出してきたことである。
こうした成果もあって、ティーチ・フォー・アメリカは今や、有名大学生のいちばんの就職希望先の1つとなり、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどのエリート企業をも上回る人気を何度も得ている2。また、1990年代に同団体の教師派遣プログラムに参加した人々には、その後チャータースクールを設立した人、選挙に出馬した人、財団を経営する人、全米各地の学校で校長を務める人などがいる。このように、さまざまな立場から働きかけることによって、生徒やクラスごとではなく、学校、学区、州全体に広がるような、システムレベルの変化に貢献している。
ティーチ・フォー・アメリカが比較的短い間にこれほどの成果をあげてこられたのはなぜなのか。また、同じように大きな成功を収めてきたNPOは、いかにして驚くべき社会的インパクトを実現したのか。後者の問いに対して1つの答えを提示することが本稿の目的であり、2007年秋に出版予定の『世界を変える偉大なNPOの条件』(ダイヤモンド社、日本語版は2012年出版)の中心的なテーマである。
今回の研究のベースとなっているのは、近年特に大きな成功を収めてきた米国のNPO12団体を対象として、数年にわたって実施した調査である。調査対象にはハビタット・フォー・ヒューマニティなど有名なものもあれば、セルフヘルプなどあまり知られていないものや、エクスプロラトリアムのような、一般的な見方では意外に思われそうなものもある。
調査団体の事業例を挙げると、エンバイロメンタル・ディフェンスは、米国北東部において酸性雨を減らすことに貢献するなど、新しい地球温暖化対策のソリューションを生み出してきた。シティイヤーは、何千人もの若者による社会貢献活動を後押しし、「ボランティア」に対する考え方を変えてきた。全体を見渡せば、こうしたインパクトの高いNPOは、持続可能なビジネスに取り組むよう企業に働きかけたり、飢餓、教育、環境などの社会課題に対して行動を起こすよう市民に呼びかけたりしてきた(全12団体の団体名および概要については以下表「インパクトの高い12のNPO」を参照)。

通説その1 完璧なマネジメント
今回の調査対象には、広く受け入れられているマネジメントの原則の観点からは、模範的とは言えないような団体もあった。驚異的な社会的インパクトを生み出すために、ある程度のマネジメント能力は必要ではあるが、十分条件ではない。
通説その2 高いブランド認知度
調査対象には誰もが知っている団体もあったが、マーケティングにまったく力を入れていない団体もあった。伝統的なマスマーケティング活動をインパクト戦略の中心に据える団体もあれば、まったく重視していない団体もあった。
通説その3 常識を覆す新しいアイデア
革新的なイノベーションを生んでいる団体もあるが、従来のアイデアを少しずつ改善しながら結果を出している団体もある。
通説その4 教科書のようにきれいなミッション・ステートメント
12の団体はいずれも説得力のあるミッション、ビジョン、共通の価値観を活動の指針としている。しかし、ミッション・ステートメントを練ることに多くの時間を費やす団体はごく一部である。ほとんどの団体は、そうしたミッションの実践に集中しているからである。
通説その5 従来の指標において高評価
NPOの経営効率を測るために従来用いられてきた指標を確認したところ、多くの団体はあまり高いスコアを示さなかった。なぜならこれらの団体は、オーバー・ヘッド・レシオ(経費率)など、誤解を生みやすい経営指標に惑わされずに活動しているからである。
通説その6 大規模な予算
本研究では、予算規模とインパクトには相関関係がないことが示された。つまり、大規模な予算で大きなインパクトを生んでいる団体もあれば、同等のインパクトを小規模な予算で生んでいる団体もある。
本研究では、インパクトの高いNPOの成功要因として考えられてきたこれらの常識を捨て去った。それにより、まったく新しい観点から非営利セクターについて、そして優良なNPOがいかにして持続的な社会変化を生み出しているかについて考察することができた3。
インパクトの高いNPOが実践する6つの原則
インパクトの高いNPOの成功の鍵は、行政、企業、他の団体、市民など、社会のあらゆるセクターを、いかに集結して公共の利益を実現する原動力にできるかにある。言い換えれば、NPOの優秀さは、組織内部のマネジメントがどうかというよりも、組織の外部においてどういった活動を行っているかによって決まるのだ。この研究で調査した団体は、いずれも組織内部においては「必要十分」な体制を築ければそれ以上は求めず、大半のエネルギーを組織外部に注ぎ、大規模な社会変化を起こそうとしていた。
アルキメデスの名言を借りるなら、「私に十分に長いてこを与えよ。そうすれば1人で地球を動かしてみせよう」である。インパクトの高いNPOは、てこの力を利用して社会変化を実現する。物理学における「てこ」とは、棒と支点によって弱い力で重たいものを動かす仕組みである。ビジネス分野では、相対的に少ない初期投資で大きなリターンを得ることを意味する。この「てこ」の概念は、まさしくインパクトの高いNPOの活動の本質を捉えている。つまり、人間が棒と支点を利用して体重の3倍もの重さの岩石を持ち上げるようにして、これらの団体は事業の規模や構造からは想像できないような、大きな社会変化を実現するのである。
12団体を長期にわたって調査する中で、各団体の活動や振る舞い方に共通するパターンがいくつか浮かび上がってきた。最終的には、並外れたインパクトを実現する6つの実践として整理した。
1)事業とアドボカシーを両立する
インパクトの高いNPOは、まずは優れたプログラムを提供することから取り掛かろうとするが、いずれサービスの提供だけでは大きな社会変化を生み出せないことに気づく。そこで、政策アドボカシーも行い、行政からの資源獲得や制度改革を目指そうとする。逆に、まずはアドボカシーから始めて、自分たちの戦略を後押しするために後から草の根プログラムを展開する場合もある。
インパクトの高いNPOは、最終的にはサービスとアドボカシーの溝を埋める。両方において高い能力を発揮するようになるのだ。サービスとアドボカシーの両方に取り組むほど、インパクトを拡大させることができる。たとえば、草の根プログラムの実践からアドボカシーへのヒントを見出すことで、より実情に即した政策立案が行えるようになる。逆に、国家レベルでのアドボカシーに取り組むことで、自分たちのモデルを各地の現場で「複製」しやすくなったり、信頼を獲得したり、事業拡大に向けた資金を確保したりできるようになるだろう4。
ノースカロライナ州ダーラムを拠点とするセルフヘルプは、このようにサービスとアドボカシーの両立によってインパクト拡大を実現した典型的な例だ。セルフヘルプの活動は、通常のローン審査を通過できなかった人々(特に貧困かつマイノリティのシングルマザー)に住宅ローンを提供するサービスから始まった。何千もの低所得世帯に対してマイホームの購入を支援したが、その成果は、略奪的貸付を行う業者の参入によって、たちまち台無しにされてしまった。悪徳業者の略奪的貸付の手口は、借り手の弱い立場の足元を見て、過剰な手数料を請求したり、法外な利率で住宅ローンを組ませたりして、実質的には借り手を返済不能に追い込んでいくものだったのだ。
最終的に、セルフヘルプはノースカロライナ州全体を巻き込むような連携組織をつくり、ロビー活動を展開することで、全国初の略奪的貸付禁止法を成立させることができた。その後、他の22の州においても同様の規制法の成立を目指し、各地域の団体を支援するために、子団体としてセンター・フォー・レスポンシブル・レンディングを設立した。セルフヘルプは直接的なサービスにおいては、45億ドルに相当する住宅ローンを全国の低所得世帯に提供してきた。しかし、アドボカシーへの取り組みは、借り手を略奪的貸付から守ることにより、国内で最も脆弱な立場にいる人々に対して、直接サービスをはるかに上回る価値を生み出したのである。
今回調査したほとんどすべての団体は、直接サービスとアドボカシーを両立させることにより、時間をかけてインパクトの拡大を実現してきた。アメリカズ・セカンドハーベスト(現フィーディング・アメリカ)やハビタット・フォー・ヒューマニティなどの団体は、生活困窮者への食糧配給や貧困層への住宅確保支援などの直接サービスから活動を始め、10年以上経ってからはじめてアドボカシーを行うようになった。一方、予算・政策プライオリティセンター、ヘリテージ財団、エンバイロメンタル・ディフェンスなどの団体は、アドボカシーから活動を始め、後に自治体・州レベルでのインパクト拡大を狙って草の根のプログラムやサービスを提供するようになった。さらに、設立時においてはどちらか一方に集中することが求められがちだが、シティイヤーやラ・ラザ全米協議会などのように、当初からサービスの提供とアドボカシー活動の両方に取り組み、早い段階からその相乗効果を実感した団体もある。
2)市場の力を活かす
インパクトの高いNPOが実践から学習したのは、純粋な利他精神に訴えるよりも、自己利益を求める力や経済原理を利用したほうが、はるかに高い効果を実現できることだ。人々の善意に頼るべきだ、あるいはビジネスは敵だとみなすような従来の考え方は捨て、市場の力をうまく利用する方法を模索して、企業が「自社の利益と公共の利益」を両立できるように支援する。具体的には、ビジネスへの取り組み方の改善を支援したり、企業と提携したり、収益事業を展開したりする。それによって、より大きなスケールで社会を変えようとしているのである5。
エンバイロメンタル・ディフェンスは、社会を変えるために市場力学を活用することにいち早く注目していた。ニューヨークを拠点とする同団体は、1960年代後半に科学者たちによって設立され、農薬のDDTの使用禁止に向けてロビー活動を展開した。同団体は長年にわたり、「とにかく悪者を訴えろ」を非公式なモットーとしていた。しかし、あるときからこの方針を改め、当時としては常識はずれのアプローチをとるようになった。つまり、ビジネスの変革とサステナビリティの向上の両方を実現すべく、企業と協力するようになったのである。
たとえば、他の環境団体から「敵に寝返った」と非難されたが、1980年代にはマクドナルドと提携し、同社の商品パッケージをより環境に優しい素材につくりかえた。それからも、フェデックスやウォルマートを含む何百社もの企業と提携を組みながら、実践から生まれたイノベーションを横展開して、業界全体におけるビジネスへの取り組み方を変革している。近年では、このように企業と提携する環境団体も増えてきたが、エンバイロメンタル・ディフェンスはその先駆者と言えるだろう。
しかし、エンバイロメンタル・ディフェンスの活動は企業活動の変革にとどまらなかった。もう一歩踏み込み、市場力学を利用して、より大規模な環境問題を解決することに取り組んだのだ。たとえば、キャップ・アンド・トレード制度など、市場での取引を通じて環境汚染をコントロールする仕組みを強く推進してきた。キャップ・アンド・トレード制度では、(炭素などの)総排出量に上限を設定し、企業がその上限を守ることや、排出量の削減に取り組むことを促す経済的インセンティブをつくり出す。キャップ・アンド・トレード制度は米国北東部における酸性雨の減少に貢献した実績があり、現在では地球温暖化対策の重要な手段の1つとなっている。2006年には、カリフォルニア州地球温暖化対策法が成立したが、このアプローチを州法に取り入れたアメリカ初の事例であり、国全体により厳格な排出規制を導入するためのモデルケースとなった。
本研究では、インパクトの高いNPOが主に3つの方法で市場を活用することがわかった。まず、エンバイロメンタル・ディフェンスのように、大きなスケールで企業活動に変革をもたらす方法である。セルフヘルプも同様の過程をたどった。住宅ローン業界に新しい市場を生み出し、自団体の革新的な貸付モデルを金融大手のワコビア(現ウェルズ・ファーゴ)やファニー・メイ(連邦住宅抵当公庫)などの主要な金融機関へと拡大した。それによって、業界のビジネスに変革をもたらし、大手の金融機関を、それまで十分にサービスが届いていなかった顧客層とつなげたのである。
2つ目は、企業との提携によって社会課題解決に向けたリソースを獲得する方法である。アメリカズ・セカンドハーベスト、シティイヤー、ハビタット・フォー・ヒューマニティなどが当てはまるが、いずれも大企業と提携し、運営資金、メディアとの関係、マーケティング支援、物資の寄付などを確保している。3つ目は、自ら小規模なビジネスを展開して、プログラムの運営資金を確保する方法である。たとえば、シェア・アワー・ストレングスには「コミュニティ・ウェルス・ベンチャーズ」というNPO向けのコンサルティング事業があり、そこで得た収益を社会課題解決の事業に再投資している。
3)伝道者を生み出す
インパクトの高いNPOは、団体目標の達成を支える支持者が集まる、強力なコミュニティを築いている。NPOがボランティア、寄付者、アドバイザーを重宝するのは、彼らが時間や資金やアドバイスを提供してくれるからだけではない。支持者をさらに増やす、「伝道者」としての役割も果たしてくれるからだ。サポーターの支援したいという思いを引き出すためにインパクトの高いNPOがまず行うのは、団体のミッションやコア・バリューへの共感を促すような、感情と心に響く体験を提供することだ。こうした体験を通して、それまで部外者だった人々が「伝道者」となり、口コミでさらに支持者を増やしていく。インパクトの高いNPOは、こうして獲得した支持者のコミュニティを長期にわたって育み、維持していく。支持者は目的を達成するための単なる手段ではなく、支持者自体を目的として尊重すべきであると認識しているからだ6。
ハビタット・フォー・ヒューマニティは、幅広い支持者のコミュニティを持ち、伝道者を生み出す力に長けているNPOの典型例だ。設立者のミラード・フラーは、当初から目指していたのは、組織をつくるだけでなく、社会的なムーブメントを生み出すことだったと語っている。実際に同団体は初期の頃から各地の教会の集まりや口コミを通じて自分たちのモデルを広げていき、草の根レベルからブランドを築き上げていった。そのモデルには、貧困層のための住居建築という団体の中核事業への参加者を増やしていくことも含まれる。参加者たちは、建築中の家に住む予定の人々と肩を並べて作業し、その過程で自らの価値観に従って行動しながら、貧困層の住居問題を解消する活動の応援者になっていく。こうした伝道者が友人や同僚を巻き込むことにより、支持者の輪がさらに広がっていったのだ。
また、ハビタット・フォー・ヒューマニティには、私たち研究チームが名付けた「スーパー伝道者」もいる。たとえば、元大統領のジミー・カーターのように、個人としての功績、知名度、幅広い人脈を駆使して、支持するNPOを次の段階まで引き上げることができる人物だ。カーター元大統領は、ハビタット・フォー・ヒューマニティの理事あるいは広告塔として活動することで、草の根の団体を、グローバル規模で変化を推進する存在に生まれ変わらせた。
本研究で調査したインパクトの高いNPOのすべてが、支持者を活動に取りこみやすいモデルの組織だったわけではない。しかし、ほぼすべての団体が、主な支持者を伝道者に変身させたり、スーパー伝道者を支持拡大に活用したりするために、創造的な方法を編み出していた。
4)NPOのネットワークを育てる
多くのNPOは、口先では団体同士の協力に前向きな姿勢を見せるが、実際には他の団体を限られた資源を取り合う競争相手とみなしがちだ。一方、インパクトの高いNPOは、他の団体の成功を後押しする。同志のNPOを集めてネットワークを構築したり、業界を前進させるために多くの時間とエネルギーを費やしたりする。こうした団体が、積極的に資金、専門知識、人材、影響力などを分け与えるのは、太っ腹だからではなく、それが目的を果たすうえで最も有効な手段だからだ7。
ヘリテージ財団は、このようなネットワークの考え方を実践する代表例だ。ワシントンD.C.を拠点とするこの団体は、設立以来、従来のシンクタンクと一線を画してきた。つまり、会員を広げることだけでなく、保守主義が社会通念となることを目指していた。その目的を実現するためには、単に組織をつくるのではなく、ムーブメントを築いていく必要があると認識していた。そこで、自治体、州、国レベルそれぞれにおいて幅広い保守団体のネットワークを構築し、それを活性化していったのである。
今日、自治体・州レベルのNPOネットワークであるヘリテージ財団の「リソース・バンク」は、2,000人以上の会員を持つ。ヘリテージ財団はリソース・バンクを通して、各地の団体のリーダーによる資金調達活動を支援し、志を同じくするこれらの団体に対して自らの資金援助者リストを無償で提供している。また、外部の政策アナリストを対象とした研修プログラムも提供し、保守主義戦略からパブリックスピーキングまで、幅広い分野の講座を揃えている。さらに、自団体だけでなく保守運動をリードする外部団体のために人材を確保するべく、保守主義を信奉する若者を対象とした定評あるインターンシップ制度や就職斡旋サービスも提供している。そして、各方面と頻繁に連携しながら、保守政策の推進や保守的な法案成立に向けた活動も行っている。このように、ヘリテージ財団は他の保守団体を競争相手として見るのではなく、自らが業界のつなぎ役となり、同じ志を持ったNPOのネットワークを拡大してきた。それによって、過去20年における保守運動の拡大に貢献してきたのである。
ネットワークの力を利用してきたインパクトの高いNPOは他にも存在する。ユースビルドUSAやアメリカズ・セカンドハーベストなど、業務提携を通じて公式のネットワークを築く団体もある。一方で、予算・政策プライオリティセンターやエクスプロラトリアムのように、オフィシャルブランドを持ったり共同の資金調達をしたりはせずに、ネットワークを非公式なものにとどめる団体もある。
しかし、協力関係が公式なものかどうかにかかわらず、どの団体も、競争ではなく協調を通してそれぞれの活動分野の進展に取り組んでいる。たとえば、資金源を共有することで他団体のファンドレイジングを支援したり、オープンソースの考え方で自組織の事業モデルや独自の情報を開示したりしている。さらに、有望な人材を独り占めするのではなく、ネットワーク全体のためにリーダーや人材の育成に取り組んでいる。そして、他の団体と連携してロビー活動や草の根の政策アドボカシーキャンペーンを展開しているが、どの団体の成果になるかはあまり気にしない。これらの団体は、単独よりも複数で協力したほうがより大きな力を得られること、また、大規模な社会変化をもたらすうえでは、協力を伴う集合的なアクションが必要になる場合が多いことを認識しているのだ。
5)適応能力を極める
インパクトの高いNPOはきわめて適応能力が高く、より大きく成功するために状況に応じて戦術を切り替える。次々とイノベーションを繰り出して、環境の変化に対処するのである。場合によっては判断を誤ることもあれば、大失敗に終わる取り組みもある。しかし、多くのNPOと異なるのは、外部の声に耳を傾け、学習し、それに基づいてアプローチを切り替える能力が非常に高い点である。こうした高度な適応能力によって、インパクトを持続的に生み出すことができたのだ8。
多くのNPOは、革新的なアイデアを思いつきはするが、実行に移す能力に欠けている。あるいは逆に、官僚主義にはまって創造力に欠ける団体も存在する。それに対してインパクトの高いNPOは、創造力と規律ある組織運営を組み合わせ、時間をかけてアイデアを評価、実行、修正していくのだ。
シェア・アワー・ストレングスは、とりわけ高い適応能力を発揮してきた例だ。ビル・ショアによって設立された同団体は、当初は有名シェフなど飲食業界の著名人にダイレクトメールを送り、飢餓救済に向けた寄付を呼びかけていた。いくばくかの寄付金は集まったものの、ショアが気づいたのは、プロの料理人たちはお金の寄付よりも、地元の人向けの試食会で自分の時間と料理技術を寄付したいという情熱を持っていることだった。デンバーにて開催された試験的なイベントの成功を受け、シェア・アワー・ストレングスはダイレクトメールの送付をやめ、「テイスト・オブ・ザ・ネイション」というイベント事業を立ち上げた。今では全国展開に成功し、70以上の都市で開催されている。この事業を通して飢餓救済への寄付金が何百万ドルも集まっており、他の団体も似たようなイベントを開催するようになっている。
シェア・アワー・ストレングスはこれ以外にも、参加型イベントやコーズマーケティングなどさまざまな活動を試してきているが、なかには失敗に終わったものもある。たとえば、テイスト・オブ・ザ・ネイションのコンセプトをスポーツ分野へ応用した「テイスト・オブ・ザ・ゲーム」だ。有名アスリートが子どもたちにスポーツを教え、保護者は特別ゲームの観戦チケットを買う。そのチケット収入はすべて飢餓救済の活動に寄付されるというイベントである。しかし、アスリートやコーチの飢餓問題に対する熱意はレストラン業界ほど高くなかった。このように、成功しなかった活動に時間と資金を奪われたシェア・アワー・ストレングスは、より厳格なイノベーション・マネジメントを行うようになった。現在は、事業計画の策定やより入念な調査を行ったうえで、新たなプログラムの実施に踏み出すようになっている。
本研究で取り上げた団体は、4つの重要なステップからなる「適応のサイクル」に習熟している。まず、外部環境からのフィードバックに耳を傾け、改善や変化の機会がないかを模索する。次に、イノベーションや実験を通して、アイデアの発展や、既存プログラムの改善に取り組む。続いて、評価を実施してイノベーションのどの点がうまくいっているかを学習し、その情報やベストプラクティスをネットワークで共有する。最後に、継続的な学習プロセスの一環として、自らの計画やプログラムを修正していく。この終着点のないサイクルを繰り返し重ねていくことで、インパクトの拡大と持続を実現しているのである。
6)リーダーシップを共有する
今回調査した12団体のリーダーたちは、いずれもカリスマ性を備えているが、過剰なエゴの持ち主ではない。彼らは、社会のよい変化に向けたより強い推進力になるためには、自らの力を分け与えなければならないことを認識している。したがって、団体内部でも、他の団体との関係においてもリーダーシップを分散させ、他の人がリーダーになるよう促している。インパクトの高いNPOのリーダーは、強力な右腕となる人材を積極的に活用したり、在任期間の長い経営チームを構築したり、人数が多く影響力の大きな理事会をつくったりしている9。
ラ・ラザ全米協議会(以下NCLR)は、このように集合的なリーダーシップを発揮している好例だ。同団体は、ヒスパニック系の活動家たちによって、1968年にワシントンD.C.を拠点として設立された。その後10年以内にはラウル・イザギレをCEOに迎え、彼のリーダーシップのもと、30年以上にわたって驚異的な成長を遂げた。イザギレは就任直後から、幅広い権限を持つ力強い幹部チームを形成した。メンバーの多くは、その後何十年も団体に残り、重要なポストを歴任している。また、イザギレは必ず右腕となるCOOを任命し、自らは団体の顔として、組織の外でリーダーシップを発揮することに集中しながら、COOは組織内部のマネジメントを支えた。そして、NCLRの理事会もこのCOOとうまく協力していく方法を学んでいった。このようなリーダーシップのあり方は、イザギレが退任し、CEOの座をジャネット・ムルギアに譲ってからも維持されている。
一方、リーダー交代がスムーズにはいかなかった団体もある。フラーがトップを退任し、貧困住居関連の新たな団体を立ち上げた際のハビタット・フォー・ヒューマニティなどがそうである。しかし、本研究で検証した団体のほとんどは、リーダーシップのかたちとして、NCLRのような権限分担型のモデルをとっている点では共通している。つまり、組織のトップに強いリーダーシップを発揮する幹部チームがあり、その頂点には権限の共有に前向きな設立者や組織を発展させるリーダーがいる。また、いずれの団体にも、重要な権限を持つ、在任期間の長い経営チームがある。さらに、理事会の規模は平均的な団体よりも大きく、20名から40名以上に及ぶ団体もある。そして、その理事会は経営陣と権限を共有する。
組織の土台を築き、インパクトを持続させる
今回の調査対象である12団体は、いずれもこの6つの実践の大部分に取り組んでいる。しかし、常に実践してきたわけではないし、すべての団体が同じやり方をとっていたわけでもない。たとえば、当初は一部の実践のみに取り組み、少しずつ他の実践も採用していった団体がある。あるいは、より少ない労力で大きな成果を出す「てこの力」がある実践に注力して、他の実践にはあまり力を入れない団体もある。しかし、最終的にはすべての団体が、実践を減らすのではなく、より多くに取り組むようになった。インパクトの高い団体は、今までのやり方を繰り返すことはせず、常に新しい方向へと動き出すのだ。そして、他者と連携することで、あるいは他者を通して、なるべく大きな「てこの力」を探り当て、インパクトを拡大していくのである。
また、インパクトの高いNPOは、6つの実践以外にもインパクトを持続させるために必要となる、マネジメントの基本原則を実現できている。たとえば、いずれの団体も、大口の個人、行政、企業、財団などによる、安定的かつある程度分散化された資金源を確保している。また、ファンドレイジング戦略とインパクト戦略に一貫性を持たせているのも特徴的だった。さらに、「伝道者」を生み出す能力がとりわけ高い団体は、幅広く個人の寄付会員を集めることにも長けていた。
インパクトの高いNPOは、人材への投資も重要だと学んでいるので、ほとんどの団体は、他の同規模の団体に比べてかなり高い報酬を幹部に支払っている。また、どの団体も、洗練されたITシステムなど、安定した内部インフラを構築するすべを知っている。さらに、管理費の割合をなるべく低く保つことを求める社会的風潮があるにもかかわらず、組織能力の向上に対して投資を惜しむことはない10。これらのマネジメントの基本原則は、それ自体が大きなインパクトをもたらすものではないが、しっかりとした組織の土台を築くことは、インパクトを持続させるうえで不可欠なのだ。
NPOは、以上の要素をすべて同時に活用すれば(マネジメントの基本原則を身につけたうえで高いインパクトをもたらす6つの実践に取り組めば)、さらなる成功に向けて勢いをつけることができるだろう。この点を、ハビタット・フォー・ヒューマニティを支援するボランティアの1人は、次のように表現している。
「大きな雪玉を坂の上から転がして落とすようなものです。動き出すまでは踏ん張り続けないといけないので、たくさんのエネルギーを使います。でも、いったん動き出せば、だんだん勢いがついて、そのうち勝手に転がるようになるのです」
てこの力を利用して社会変化を前進させる
自分の組織を拡大させることに専念したほうが楽なはずなのに、なぜインパクトの高いNPOは、さまざまな外部の関係者の力を活かそうとするのだろうか。それは、本当のインパクトを生み出そうという、揺るぎない信念があるからだ。これらの団体とそのリーダーたちは、飢餓、貧困、崩壊する教育制度、地球温暖化など、最も重大な社会課題の解決を目指している。世界を変えようとしているのだ。一時しのぎの応急処置ではなく、社会の病理の根本原因を打ちのめして根絶しようと努力しているのである。
だから、ティーチ・フォー・アメリカは、クラスにいる生徒たちのテストの点数を上げるだけでは満足しない。米国の教育制度そのものの抜本的な改革を目指している。ハビタット・フォー・ヒューマニティは、家を建てるだけでは満足しない。貧困に伴う住居問題やホームレスに陥る状況の根絶を志している。シティイヤーも、若者のボランティアグループをいくつかつくるだけでは満足しない。全国すべての若者が1年間社会貢献活動に専念するような社会をつくろうとしているのだ。
しかし、こうした高い志を掲げる一方で、どの団体も実用を優先する徹底的なプラグマティズムに基づいて活動している。より大きなインパクトを生み出そうとしているので、特定のイデオロギーを掲げることはほとんどない。実際、セルフヘルプの設立者であるマーティン・イークスは次のように述べている。
「私にとっては、自分の正しさを証明するよりも、インパクトを実現することのほうが重要なのです」
それを実現するためには、自分のエゴを捨て、場合によっては個人的あるいは組織的なニーズを後回しにすることを求められるかもしれない。彼らのような社会起業家たちは、合理的な範囲内であれば、やれることは何でもやるのだ。
エンバイロメンタル・ディフェンスで連携戦略を進めるプログラムディレクターのグウェン・ルタは、次のように語っている。「当団体は、きわめて実用優先です。何よりも結果を重視します。成功する見込みのある取り組みであれば、誰とでも手を組みます。そして、結果を出すためにはどんな道具でも使います。訴訟を起こすことも、企業との提携も、連邦議会でのロビー活動も、啓発活動も行います。これらすべてが当団体のいわば『道具箱』に入っていて、最も目的達成につながる可能性が高い手段を採用します」
しかし、NPOだけが6つの実践をすべて極めたとしても、世界規模の社会課題は解決できないだろう。他のセクターも追随する必要がある。本当の変化をもたらすためには、行政や営利企業のトップがインパクトの高いNPOと6つの実践から学ばなければならない。行政のリーダーは、NPOのことを、社会的な事業を外部委託できる便利な存在として捉えるのではなく、ソーシャルイノベーションや政策アイデアの貴重な源泉として捉えることができるはずだ。ビジネスリーダーは、NPOと連携すれば、公共の利益にかなうかたちで市場力学を活用するような、革新的なシステムを生み出せるはずだ。そして、個人の寄付者やボランティアは、効率性のような従来の誤った考え方を忠実に守っているNPOではなく、インパクトの高いNPOを支援することで、自らの投資に対してより高い社会的リターンを得ることができるだろう。
より多くのNPO、企業、公的機関が、本章で紹介した6つの実践に取り組んでインパクトを最大化させていかなければ、これまで通り、ゆっくりとしたペースで漸進的な変化しか起きないだろう。地球温暖化をほとんど防ぐことはできないし、貧困の連鎖を断つどころか拍車をかけるプログラムにわずかな予算をあてたり、何百万人もの子どもが医療を受けられずに育つのを許したりしてしまうだろう。そして、インパクトではなくプロセスにこだわるという、最も決定的なミスを犯し続けることになるだろう。
研究方法
インパクトの高いNPOに共通する特徴を分析する前に、本研究では、「インパクト」の実用的な定義から検討を始めた。まずは具体的なアウトプット、つまり、「その団体は、国全体あるいはグローバルなレベルで大きな成果を持続的に達成したか」を基準に考えた。もう1つの視点はやや抽象的で、「その団体は、システムレベルあるいは活動分野レベルにインパクトを与えたか」というものにした。
続いて、調査対象を絞る必要があった。まず、より大きな社会の利益の実現を主な活動目的とする501(c)(3)団体*を対象とした。したがって、フラタニティなどの会員制組織は除外した。また、NPOが比較的短い期間でインパクトを拡大する方法を探るのが目的だったので、1960年代後半以降に設立された団体に限定した(また、設立後10年未満の団体は持続的なインパクトを実現しているとは言えないので、これも除外した)。最後に、調査対象の社会的、政治的、経済的条件が均一になるよう、海外で設立された団体や、資金が潤沢な助成財団は除外した。
これらの条件に当てはまる団体の選定と調査を進めていくうえで、4段階のプロセスを採用した。なお、企業でいえば株主配当額のような客観的な指標は、「インパクト」測定に関しては存在しないので、調査対象の評価にはより主観的な基準を用いる必要があった。そこで、『ビジョナリー・カンパニー』(日経BP社)のような経営の教科書で用いられている分析手法を参考にした。
まず、ある程度非営利セクターを代表するようなNPOの経営者2,790名にアンケートを実施し、それぞれの活動分野において過去30年で最も大きなインパクトをもたらしてきたと思う団体を、その根拠とともに5つずつ挙げてもらった。
次に、9つの分野(例:芸術振興、環境、青少年育成)における専門家60名にアドバイザーとして協力を依頼し、アンケート結果を分析したり、他の団体を提案してもらったりした。そのような過程を経て、本研究の基本条件すべてに当てはまる団体のなかから、約35団体まで絞ることができた。その後、これらのアドバイザーたちと各団体の年次報告やそれぞれのインパクトに関する一般公開の資料などの追加情報を吟味して検討を重ねていくことで、最終的に本稿で紹介したインパクトの高い12のNPOを選定した。その際は、非営利セクター全体をうつすものとなるよう、可能な限り広範な活動分野、ビジネスモデル、予算規模、地理的範囲、リーダーシップスタイルを持った組織から選ぶようにした。
続いて、約2年間にわたってこの12団体を調査していった。それぞれの団体に関する記事、ケーススタディ、書籍を集めたり、本部を訪問したり、幹部や理事などのリーダーたちと10回から15回にわたるインタビューを実施したり、予算データ、職員の報酬データ、離職率、組織表などの内部資料を分析したりした。
最後に、それまで収集したすべてのデータを分析し、これらの団体がインパクトを実現してきた方法について共通のパターンを探し出した。その結果を12の団体と数名の研究顧問に提示し、意見を出してもらった。その中で最も重要なテーマとして浮かび上がったものが、本稿で紹介する6つの実践である。
【翻訳】森本伶
【原題】Creating High-Impact Nonprofits
ヘザー・マクラウド・グラント Heather McLeod Grant
デューク大学フュークア経営大学院 社会起業推進センター(CASE)のアドバイザー、スタンフォード大学経営大学院のセンター・フォー・ソーシャルイノベーション(CSI)のアドバイザー。
レスリー・R・クラッチフィールド Leslie R. Crutchfield
アショカ・グローバルアカデミー(Ashoka Global Academy)マネージングディレクター。アスペン研究所の非営利セクター・フィランソロピープログラムにより研究助成を受けている。
(訳注)
*501(c)(3)団体:アメリカの内国歳入法典第501条C項の規定に基づき、連邦法人所得税免税や寄付税制上の優遇措置などの対象となる非営利法人。団体の事業内容によって501(c)(1)~(29)の区分があるが、その中でも501(c)(3)団体は宗教、教育、社会貢献活動など幅広く、一般的な非営利団体の多くが当てはまる
(原注)
1 このケース,ならびに本稿で要約したその他のケースにおいて紹介されたすべての事実または証言は,各団体のスタッフへの聞き取り調査,内部資料,年次報告書などの公開資料から引用したものである.予算などに関するデータは,基本的に本研究が実施された2005年度時点のものである.
2 Patricia Sellers. “Schooling Corporate Giants on Recruiting.” Fortune, 2006年11月27日.
3 『スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー』の論文や,非営利セクターに関する文献には,組織における効果や効率,あるいは組織規模の拡大によるインパクトの拡大をテーマにしたものが多い.たとえば.以下を参照.
Jeffrey L. Bradach. “Going to Scale.” Stanford Social Innovation Review (Spring 2003): 19-25〔本書収録論文「04 規模の拡大を目指して」〕
William Foster and Gail Fine. “How Nonprofits Get Really Big.” Stanford Social Innovation Review (Spring 2007): 46-55.
Christine W. Letts, William P. Ryan, and Allen Grossman. High Performance Nonprofit Organizations. New York: John Wiley & Sons, 1999.
4 Shirley Sagawa. “Fulfilling the Promise: Social Entrepreneurs and Action Tanking in a New Era of Entrepreneurship,” developed for New Profit Inc. (2006年2月).
Bob Smucker. The Nonprofit Lobbying Guide. Washington, D.C.: Independent Sector, 1999.
アスペン研究所のHPで閲覧できる研究成果報告書Susan Reese. “Effective Nonprofit Advocacy.”
5 Shirley Sagawa and Eli Segal. Common Interest, Common Good: Creating Value Through Business and Social Sector Partnerships. Cambridge, Mass.: Harvard Business School Press, 2000.
J. Gregory Dees. “Enterprising Nonprofits.” Harvard Business Review (January/February 1998).
James E. Austin. The Collaboration Challenge: How Nonprofits and Businesses Succeed Through Strategic Alliances. San Francisco: Jossey-Bass Publishers, 2000.
6 Joel M. Podolny. “Networks for Good Works.” Stanford Social Innovation Review (Winter 2007).
オミディア・ネットワークの内部調査資料“Effective Alumni Engagement: Key Themes and Promising Practices,” (資料作成者:マッキンゼー・アンド・カンパニー,2003年).
7 Ori Brafman and Rod Beckstrom. The Starfish and the Spider: The Unstoppable Power of Leaderless Organizations. New York: Portfolio, 2006〔オリ・ブラフマン,ロッド・A.ベックストローム『ヒトデはクモよりなぜ強い―21世紀はリーダーなき組織が勝つ』糸井恵訳,日経BP社,2007年〕
Gerald F. Davis, Doug McAdam, W. Richard Scott, and Mayer N. Zald, eds. Social Movements and Organization Theory. New York: Cambridge University Press, 2005.
8 Christine W. Letts, William P. Ryan, and Allen Grossman. High-Performance Nonprofit Organizations. New York: John Wiley & Sons, 1999.を参照.この文献では,リーダーシップの文脈での順応力についての議論において,Ronald A. Heifetz. Leadership Without Easy Answers. Cambridge, Mass.: Belknap Press, 1994〔ロナルド・A.ハイフェッツ『リーダーシップとは何か!』幸田シャーミン訳,産能大学出版部,1996年〕を引用している.
9 Gregory B. Markus. “Building Leadership: Findings from a Longitudinal Evaluation of the Kellogg National Fellowship Program.” Battle Creek, Mich.: W.K. Kellogg Foundation, 2001.
Betsy Hubbard. “Investing in Leadership: Vol. 1 – A Grantmaker’s Framework for Understanding Nonprofit Leadership Development.” Washington, D.C.: Grantmakers for Effective Organizations, 2005.
10 Stephanie Lowell, Brian Trelstad, and Bill Meehan. “The Ratings Game.” Stanford Social Innovation Review (Summer 2005): 39-45.
翻訳者
- 森本伶
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