コミュニティの声を聞く。
Vol.05
社会的企業は、シリコンバレー・モデルから脱却することで地域社会により貢献できる。ダニエラ・ブレイ Daniela Bleiミシガン大学アナーバー校の博士課程の学生だったキム・サンテは、株主利益の最大化を追求するだけではない、オルタナティブなビジネスのあり方に興味を持つようになった。そこでデトロイト近郊にある営利目的のビジネスインキュベーター(新事業支援施設)で実地調査を始めた。この施設では街の「持続可能な再活性化」を目指し、中小企業にワークスペースを貸し出して収益を得ていた。サンテは指導教官から、社会起業型ビジネスの発展に関する比較調査を行い、他の事例との違いや独自の特徴を明らかにしてはどうかと提案された。キム・サンテは、比較対象となりうる、地元企業が所有する非営利ビジネスアクセラレーター(スタートアップや起業家をサポートし、事業成長を促進する組織)を見つけた。そこでは「デトロイトを次のシリコンバレーにする」というミッションを掲げていた。現在、ボストンカレッジのキャロル経営大学院の助教(経営組織論)であるサンテは、モントリオールのマギル大学助教(サステナビリティ経営)のキム・アンナ教授と共同で、2つの組織におけるアイデアの進化と変化を評価する新しい論文を発表している。まず、2つの組織を選び、社会起業型のビジネスと従来型のビジネスを比較した。比較した2つの企業には、それぞれGREEN、ACCELという仮名をつけた。ところが、彼らが想定していた2つの分類は曖昧になってしまった。従来型ビジネスである方のACCELは社会や環境への関心が高く、社会起業型のGREENは利益を追求していたからだ。2つの組織の違いは、貧困率が高く経営資源の乏しいデトロイトという都市において、対照的な方法で成長を追求した結果、異なるローカル・インパクトをもたらしていることからきていた。
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