
「奪い合う関係」を「与え合う関係」に変える仕組みとは
「応援する文化」をつくる新しいお金
※本稿は、SSIR Japan 編『スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版 04 コレクティブ・インパクトの新潮流と社会実装』のシリーズ「社会を変えるコラボレーションをめぐる『問い』」より転載したものです。
新井和宏 Kazuhiro Arai
投資とは、「損得」ではなく「応援」
私は、人間が幸せに生きるために、お金という存在の再定義に挑んでいる。
若い頃からお金に苦労し、働きながら大学の夜間部に通っていた私は、たくさんお金を稼げば必ず幸せになれると信じていた。大学卒業後、私は国内の信託銀行や外資系金融機関のファンドマネジャーとして、巨額の資金を運用した。最先端の金融工学を駆使し、いかに効率よく、レバレッジを効かせて最大限の投資リターンを得るかだけを考え、一番お金を儲けた者が勝ちという金融の世界で約20年働いた。しかし、過酷な日々のなかで疲弊し、病気で退職してしまった。その渦中でリーマン・ブラザーズが破綻し、世界的な金融危機が起きた。
お金は人間を本当に幸せにしているのか?
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