伝説のアーティクル

2003年に産声を上げて以来、社会イノベーションの「知の拠点」として世界で高い評価を受けるグローバルマガジン、スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビューには、多くの「伝説のアーティクル」があります。ここではその一部を紹介いたします。(今後、アップデート予定です。)

非営利団体を悩ます「間接費」のジレンマ(The Nonprofit Starvation Cycle)」(2009年)

「非営利団体は、寄付や助成金は事業にまわすべきで間接費や管理費は最小限に抑えるべきだ」世間に広く根付いているこの考え方が実は非営利団体の経営を追い詰めている。この悪循環はどのような構造になっていてそれを断ち切るためには何が必要なのか?

デザイン思考×ソーシャルイノベーション(Design Thinking for Social Innovation)」(2010年)

人々の問題を解決するためにサービスを設計したのに、ユーザーから受け入れられない―この「善意の空回り」をどうすれば避けられるだろう? 「デザイン思考」は、丁寧な観察と深い洞察をもとにプロトタイピングを繰り返し、顧客の真のニーズに応える解決策を生み出す。複雑なニーズを紐解くソーシャルイノベーション分野で真価を発揮する、この方法論の活用法を示す。

コレクティブ・インパクト(Collective Impact)」(2011年)

社会を変えるためには「コラボレーション」が必要だ―これは何十年も前から言われてきたことであり、さまざまな形のコラボレーションが模索されてきたが、多くの成果は出ていない。2011年に発表された本論文「コレクティブ・インパクト」は、従来の方法論と異なるコンセプトを提示し、大きなインパクトをもたらすアプローチとして反響を呼んだ。その後、各国でアクションが生まれ、毎年国際カンファレンスも開催されるなど、グローバルな実践と学習が続いている。複雑な問題の解決に向けて、個別の活動をそれぞれ追求するのでもなく、あるいは全員が同じ”集団的”な行動をとるのでもなく、互いの違いを活かしながら、共通の目標に向かって”集合的”なインパクトを生み出す5つの原則とは何か。

社会を動かすカーブカット効果(The Curb-Cut Effect)」(2017年) 

弱い立場に置かれている人々に特化した施策は、全体の利益を損なうわけではない。むしろ、マイノリティのための解決策が、社会と経済の両方に思わぬ波及効果を生み出すのだ。市民のゲリラ的なアクションがなぜ政策として国全体に広がったのか、それが政策形成における「公正性」と「公平性」にどう関わるのかを考える。

システムリーダーシップの夜明け(The Dawn of System Leadership)」(2021年)

「社会が変わる」と言っても、どれか1つの解決策では実現できず、複雑なシステム全体を変化させる必要がある。それは、ビジョンや解決策を示して先頭に立つ、英雄的なリーダーが解決に挑むのでは限界がある。問題に関わる多くの人々を支援し、「自分も変わるべきシステムの一部なのだ」と気づかせ、それぞれが変化を起こせるように導く存在―すなわち、システムリーダーが必要だ。システムリーダーシップの本質とは何か? どうすればシステムリーダーになれるのだろうか? 現在さまざまな場所で生まれつつある、これからの時代に欠かせないリーダーのあり方に迫る。

あなたのエンドゲームは何か?(What’s Your Endgame?)」(2021年)

あなたが最終的に叶えたいビジョンに、今の努力は本当につながっているか―? インパクトを実現するために、組織の規模を拡大すべきだと考えるリーダーたちは多いが、必ずしもそれが最適解になるとは限らない。インパクトを最大化するための組織と事業の形=「エンドゲーム」には多様な選択肢がありうるのだ。ここでは、数多くの事例から導かれた6つのエンドゲームを提案し、組織と事業の目指すべき姿を見つけるための指針を示す。

フェニックスとドラゴンのイノベーター物語(The Innovator’s Tale of the Phoenix and Dragon)」(2023年)

ソーシャル・イノベーションを志すリーダーたちにとっての共通の問いは「どのような組織をつくるべきなのか?」である。直線的な問題解決型アプローチと、探究的な価値創造型アプローチをバランスさせながら、あるべき組織を目指す方法を提案する。

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