コレクティブ・インパクトの試練と深化
コレクティブインパクト・連携
ソーシャルイノベーションの2つの系譜とコレクティブ・インパクト
2011年に登場したコレクティブ・インパクトという概念と方法論は、「スケール」と「対話」という2つのソーシャルイノベーションの系譜が合流したものと捉えているが、この10年でエクイティ(社会構造による格差の解消への動き)をより重視するようになった。そこに至るまでの背景を簡単に展望する。
米中の大学パートナーシップで中国農村開発のEBPMに挑む
スタンフォード大学の農村部教育アクション・プログラム(REAP)は中国農村部の人々の生活を改善するために中国とアメリカ、ヨーロッパの大学による比類のない共同研究体制を確立した。REAPの成功は、科学的な手法の開発への応用と社会的インパクト創出を目的とした国際的パートナーシップの可能性を示している。
コレクティブ・インパクト : 個別の努力を越えて今こそ新しい未来をつくり出す
社会を変えるためには「コラボレーション」が必要だ―これは何十年も前から言われてきたことであり、さまざまな形のコラボレーションが模索されてきたが、多くの成果は出ていない。2011年に発表された本論文「コレクティブ・インパクト」は、従来の方法論と異なるコンセプトを提示し、大きなインパクトをもたらすアプローチとして反響を呼んだ。その後、各国でアクションが生まれ、毎年国際カンファレンスも開催されるなど、グローバルな実践と学習が続いている。複雑な問題の解決に向けて、個別の活動をそれぞれ追求するのでもなく、あるいは全員が同じ”集団的”な行動をとるのでもなく、互いの違いを活かしながら、共通の目標に向かって”集合的”なインパクトを生み出す5つの原則とは何か。
コラボレーションで生じる「わかりあえなさ」とどう向き合うか
互いの共通点と相違点を把握する
70~80点の短期的な成果を長期的なシステム変化につなぐには
利害が一致しなくてもともに前進する方法
当事者の声を守り「対等な連携」を進めるために何が必要か
支援対象者は弱者ではなく「力のある存在」