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SSIRとの17年間と記憶に残る8つの記事ー編集長エリック・ニーからの手紙

エリック・二ー Eric Nee

「私が特に誇りに思っているのは、ソーシャルイノベーションをグローバルな研究と実践の分野として育てることにSSIRが果たした役割です」。

今号は私が編集に携わったスタンフォード・ソーシャル・イノベーション・レビュー(SSIR)の72号目で、これが私の手がける最後の号になります。SSIRの編集長としての役割から退いた後は、旅行や家族・友人との時間を過ごし、著者やアドバイザーとしてソーシャルイノベーションに関わっていきたいと思います。

新しい生活が楽しみであると同時に、ほろ苦さもあります。17年という年月をささげたSSIR編集長の仕事は私の夢そのものでした。私は1968年、14歳のときに人生で初めてグローバルな社会正義のために行動を起こしました。ベトナム戦争反対のデモ行進に参加したのです。そのときに目指したあるべき社会の実現を、SSIRという媒体を通じて追求し続けてきました。記事やイベント、グローバルなネットワークを通じて、SSIRは世界中のあらゆる組織が人々の生活を改善し、構造的な不平等を抱えた社会システムを変革することを後押ししています。

私の任期中、以下のような記事を通じて、SSIRはより効果的に社会変革に取り組む組織の創造や、困難な社会問題の解決に向けた新しいアイデアやアプローチを提案しました。

非営利団体を悩ます「間接費」のジレンマ(The Nonprofit Starvation Cycle)」(2009年)
デザイン思考×ソーシャルイノベーション(Design Thinking for Social Innovation)」(2010年)
コレクティブ・インパクト(Collective Impact)」(2011年)
社会を動かすカーブカット効果(The Curb-Cut Effect)」(2017年) 

SSIRではまた、自分たちが推進してきたアプローチの効果について疑問を投げかける記事も発表しました。

Microfinance Misses Its Mark」(2007年)
When Can Impact Investing Create Real Impact?」(2013年)
When Innovation Goes Wrong」(2016年)
The Problem with Carbon Offsets」(2023年) 

私が特に誇りに思っているのは、ソーシャルイノベーションをグローバルな研究と実践の分野として育てることにSSIRが果たした役割です。SSIRが創刊した20年前、ソーシャルイノベーションという分野は発展途上で、その意味は広く理解されていませんでした。今日では、世界中の多くの人々や組織が共通の言語やアプローチを使ってソーシャルイノベーションに取り組んでいます。

当初から私たちは世界中の様々な国の問題、組織、社会変革のアプローチに関する記事を発表してきました。いま、SSIRの記事は世界中で読まれています。ウェブサイト訪問者の半数以上がアメリカ以外からアクセスしています。グローバルパートナーとしてSSIRアラビア、SSIRブラジル、SSIR中国、SSIRスペイン語版、SSIR日本、SSIR韓国が記事を翻訳し、各言語で書き下ろされたオリジナルの記事も発信しています。

組織をつくり上げる醍醐味の一つは、自分が去ってもその組織が続くことです。それはSSIRには私たちの使命を継続して推し進める素晴らしい編集・出版チームがいます。現在、SSIRがさらに成長し、成功を収めるための新しいアイデアや才能を持った新しい編集長も近々ご紹介できるでしょう。来年からは、熱心な一読者としてみなさんといっしょにSSIRを応援したいと思います。

【翻訳】中嶋愛
【原題】My Last Column|Stanford Social Innovation Review (Winter 2024)
【写真キャプション&クレジット】2023年、Nonprofit Management Instituteにて。Charles Russo撮影。 

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