今号は私が編集に携わったスタンフォード・ソーシャル・イノベーション・レビュー(SSIR)の72号目で、これが私の手がける最後の号になります。SSIRの編集長としての役割から退いた後は、旅行や家族・友人との時間を過ごし、著者やアドバイザーとしてソーシャルイノベーションに関わっていきたいと思います。
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Thoughts for Tomorrow(1):意図することと委ねること
『ドラえもん』に「モアよドードーよ、永遠に」という、伝説の回がある。のび太とドラえもんが、「タイムホール」と「タイムトリモチ」という道具を使い、過去の世界から、絶滅した動物たちを現代に連れ出して無人島に保護する、という物語だ。
Thoughts for Tomorrow(4):ビル・ストリックランドの冒険
15年ほど前、ピッツバーグの国際空港に降り立ったとき、あー、これがビル・ストリックランド*の言っていた体感なんだと、わかった。明るい光の差すその空間は、確かに歩いているだけで、自分が温かく迎えられているようだった。
ソーシャルイノベーションの2つの系譜とコレクティブ・インパクト
2011年に登場したコレクティブ・インパクトという概念と方法論は、「スケール」と「対話」という2つのソーシャルイノベーションの系譜が合流したものと捉えているが、この10年でエクイティ(社会構造による格差の解消への動き)をより重視するようになった。そこに至るまでの背景を簡単に展望する。
ソーシャルイノベーションの再発見: 誰が未来をつくるのか
さあ、これからの「社会の変え方」を探す旅に出よう。今や、困難な問題を解決するために、いろんな人がいろんなチャレンジを行い、知見の探求も進んでいる。「ソーシャルイノベーション」の定義や解釈には幅がある。これまで注目された「社会起業家」や「社会的企業」と何が違うのか? 私たち1人ひとりが、どのように関わるのか? また実践に役立つ考え方とは何か? 具体的な方法論を探求する前に、改めて「ソーシャルイノベーションとは何か」について考えてみたい。
「わたし」から物語を始めよう
この本は、『スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー』(SSIR)という、米国スタンフォード大学のビジネススクールから生まれた雑誌の数々の記事から、そのヒントとなる10本の論文を集めたものです。
社会を動かすカーブカット効果: マイノリティへの小さな解決策から生まれる大きな変化
弱い立場に置かれている人々に特化した施策は、全体の利益を損なうわけではない。むしろ、マイノリティのための解決策が、社会と経済の両方に思わぬ波及効果を生み出すのだ。市民のゲリラ的なアクションがなぜ政策として国全体に広がったのか、それが政策形成における「公正性」と「公平性」にどう関わるのかを考える。
デザイン思考 × ソーシャルイノベーション: 善意を空回りさせず、成果を生み出す方法
人々の問題を解決するためにサービスを設計したのに、ユーザーから受け入れられない―この「善意の空回り」をどうすれば避けられるだろう? 「デザイン思考」は、丁寧な観察と深い洞察をもとにプロトタイピングを繰り返し、顧客の真のニーズに応える解決策を生み出す。複雑なニーズを紐解くソーシャルイノベーション分野で真価を発揮する、この方法論の活用法を示す。