特定の1つのセクターが社会を牛耳ると、社会のバランスが失われて、人々が苦しみを味わう結果になる。共産主義体制の下で政府セクターが社会を支配したときもそうだったし、資本主義の名の下で民間セクターが社会を支配している今日もそのようなことが起きている。社会が健全であり続けるためには、敬意を集める政府セクター、責任感をもった民間セクター、そして強靭な多元セクターが欠かせない。この3つ目のセクターを「非営利セクター」や「第三セクター」などといった不適切な呼び名ではなく、「多元セクター」と呼ぶことにより、このセクターをほかの二つのセクターと対等のしかるべき地位に位置づけることが可能になる。そうすれば、社会のバランスを取り戻すうえでこのセクターだけが果たせる役割を私たちも正当に評価できるようになるだろう。
タグ: コレクティブ・インパクト
SSIRとの17年間と記憶に残る8つの記事ー編集長エリック・ニーからの手紙
今号は私が編集に携わったスタンフォード・ソーシャル・イノベーション・レビュー(SSIR)の72号目で、これが私の手がける最後の号になります。SSIRの編集長としての役割から退いた後は、旅行や家族・友人との時間を過ごし、著者やアドバイザーとしてソーシャルイノベーションに関わっていきたいと思います。
わたしを支えてくれる本: 人と自然の〈あいだ〉をめぐって
社会変化は個人の内面から始まる。
なぜ「地域の声を聞く」だけではインパクトが生まれないのか
多くの取り組みが、現地コミュニティの「声」を大切に聞いている。しかし、コミュニティの「主導権」を強化し、リーダーシップを引き出している取り組みはどれだけあるだろうか?
より公正な社会を目指すためにはまず、パートナーシップ間の不均衡な力関係に目を向ける必要がある。
「現場のプログラムか、全体のシステムか」の二元論を越えるコレクティブ・インパクトのあり方
地域コミュニティをコレクティブ・インパクトの取り組みに巻き込むために、何が必要か。4人の実践者たちが、10年以上の経験から得られた学びを共有し、課題と展望について語り合う。
コレクティブ・インパクト、次の10年の課題と可能性
コレクティブ・インパクトの数々の取り組みは、これまで、システムレベルの変化に貢献し、コミュニティの多くの人々の生活を改善してきた。次の10年は、エクイティ、不均衡な力関係の是正、サステナビリティ、複数の取り組み間の協力体制の強化といった点に注力し、より持続性の高い社会変化を実現することが求められる。
コレクティブ・インパクトの実装に向けて
2011年に発表され、社会課題への新しいアプローチとして注目を集めた論文「コレクティブ・インパクト」。その後も世界各地で実践が広がり、追加の研究も実施されている。そこから見えてきた成功要因とは。
コレクティブ・インパクトの北極星はエクイティの実現である
この10年間にわたる社会課題解決に向けたコレクティブ・インパクトの実践からわかったことがある。それは、構造的不平等の解消を中心に据えなければならない、ということだ。
Thoughts for Tomorrow(4):ビル・ストリックランドの冒険
15年ほど前、ピッツバーグの国際空港に降り立ったとき、あー、これがビル・ストリックランド*の言っていた体感なんだと、わかった。明るい光の差すその空間は、確かに歩いているだけで、自分が温かく迎えられているようだった。
Editor’s Note:コレクティブ・インパクトの新潮流と社会実装
コレクティブ・インパクトの試練と深化