共感が生まれる瞬間

『ドラえもん』に「モアよドードーよ、永遠に」という、伝説の回がある。のび太とドラえもんが、「タイムホール」と「タイムトリモチ」という道具を使い、過去の世界から、絶滅した動物たちを現代に連れ出して無人島に保護する、という物語だ。

15年ほど前、ピッツバーグの国際空港に降り立ったとき、あー、これがビル・ストリックランド＊の言っていた体感なんだと、わかった。明るい光の差すその空間は、確かに歩いているだけで、自分が温かく迎えられているようだった。

社会的な活動において、その「アウトカム」が非常に重視されている一方でそれを起こす「プロセス」はあまり注目されてこなかった。ケーススタディから見えてきた、変化を起こすプロセスの原則と実践とは？

今号は「循環」がテーマです。循環と似て非なるものに「反復・繰り返し」があります。循環と反復の違いは何か。それは、循環は他を生かすことや再生と結びついているということではないでしょうか。大切なものを未来に受け継いでいく「循環」について、さまざまな角度から考えていきます。

主語を「わたし」に戻す。